kubectlで全てのリソースをgetする方法

kubectl get allだとCustom Resourceが表示されないので、全てのリソースが表示できずに困りました。kubectl api-resourcesを使えば、Custom Resourceも含めてサポートされているAPIリソースを全て把握できるので、それを応用して全てのリソースを表示できるようになりました。 備忘録として雑に書いておきます。 全てのリソースを表示する 以下のコマンドで、特定のnamespaceに存在する、全てのリソース(Custom Resourceも含めて)を表示することができます。 kubectl get $(kubectl api-resources --verbs=list --namespaced -o name | tr '\n' ',' | sed 's/,$//') -n <namespace> 各コマンドの説明 kubectl api-resources --verbs=list --namespaced -o name kubectl api-resources: クラスター内の全てのKubernetesリソース種別を表示 --verbs=list: list操作が可能なものに絞る --namespaced: 名前空間に属するリソースに絞る (NamespaceやNodeなどのcluster-scopedリソースは除外) -o name: kubectlで直接使えるリソース名だけを出力 tr '\n' ',' 出力されたリソース名を、改行区切りからカンマ区切りに変換 sed 's/,$//' 末尾に付いてしまった余分なカンマを削除

August 11, 2025 · Ken Kato

kubectlとjqコマンドの便利な組み合わせ

jqコマンドとは、JSON形式のデータを処理・変換するためのコマンドです。 普段はkubectlやAWS CLIと組み合わせて使うことが多いのですが、使い方やオプションをきちんと調べたことがなかったため、本記事の執筆を機に改めておさらいしようと思います。 この記事では、知っておくと便利な関数やjqコマンドの実践的な組み合わせ例を紹介します。 インストール方法 macOSの場合は以下のコマンドでインストールできます。 brew install jq jqコマンドの関数 keys関数 これまではjq ','のように全階層をまとめて表示してキーを把握していましたが、keys関数を使うと一階層ずつキーを表示できます。 # labelのキーを取得する kubectl get pod my-pod -o json | jq '.metadata.labels | keys' select関数 select関数は条件にマッチした項目のみを抽出します。 # Running状態ではないPodの一覧を取得する kubectl get pods -A -o json | jq '.items[] | select(.status.phase != "Running") | .metadata.name' # 上記の応用として、namespace、Pod名、Podの状態も合わせて表示する kubectl get pods -A -o json | jq -r '.items[] | select(.status.phase != "Running") | "\(.metadata.namespace) \(.metadata.name) \(.status.phase)"' | column -t 2つ目のコマンドではいくつかのオプションや機能を使っているため、それらについて説明します。 -r: ダブルクォートを削除するオプション(デフォルトでは"が付いてくる) "\(filter)": 文字列の中で \(filter) を使うことで、抽出した値を文字列に埋め込める。これにより、複数の値を空白区切りで1行に表示できる columnt -t: columnコマンドの-tオプションを使うことで、区切り文字を基準に列を揃えて表形式で表示できます contains関数 contains関数は指定した文字列が含まれていればtrueを返します。...

August 10, 2025 · Ken Kato

ghqとpecoを使った効率的なリポジトリ管理

他の記事でも多数紹介されていますが、最近ghqとpecoを使ってみてとても便利だったので、自身のブログでも紹介します。 ghqコマンド git cloneで多くのリポジトリをcloneしてると、ホームディレクトリ直下に大量のディレクトリで散らかり、どこに何があるかわからなくなってしまいます。 ghqは、Gitリポジトリをあらかじめ決めたディレクトリにまとめて管理できる便利なツールです。 ー https://github.com/x-motemen/ghq インストール方法 # macOSの場合 brew install ghq 基本的な使い方 # リポジトリをクローンする ghq get username/repository # ローカルのリポジトリ一覧を表示 ghq list pecoコマンド pecoは、CLI上でインタラクティブにテキストを絞り込み・検索できるツールです。 https://github.com/peco/peco インストール方法 # macOSの場合 brew install peco 基本的な使い方 # ファイルを絞り込み選択 ls | peco # 履歴から絞り込み選択 history | peco # プロセスを絞り込み選択 ps aux | peco ghq + pecoの組み合わせ この2ツールを組み合わせることで、リポジトリの切り替えが格段に楽になります。 aliasの設定 以下のaliasを~/.bashrc~/.zshrc`に追加します: # リポジトリを選択してcdする alias ghqcd='cd "$(ghq list | peco)"' まとめ ghqとpecoを組み合わせることで、リポジトリの切り替えが格段に楽になりました。これはみんなやるべきだと思いました。

June 4, 2025 · Ken Kato

Renovateの導入方法

手動での依存パッケージのアップデートが大変だったので、Renovateを導入してみました。 その手順と設定について簡単にメモします。 Renovateとは? Renovateは、依存関係の更新を自動化してくれるOSSのツールです。元々は個人開発から始まり、現在はイスラエルのセキュリティ企業 Mend社によって開発されています。 リポジトリ内の依存関係をスキャンし、新しいバージョンが利用可能な場合には自動でPull Request(PR)を作成してくれます。 Node.jsのnpmやyarnはもちろん、Go modules、Docker、Terraformなど多くの言語やパッケージマネージャーに対応しているのも特徴です。 対応しているパッケージマネージャーの一覧はこちら 導入手順 renovateはセルフホストする方法とGitHub Appを使う方法の2通りあります。手軽に使いたいので、今回はGitHub Appを使って導入します。 https://github.com/apps/renovate から「Configure」を押す 全てのリポジトリを選択し、導入する 全てのリポジトリを選択したとしても、renovateの設定ファイルがあるリポジトリのみrenovateが有効になります。 そのため、renovateの設定ファイルがないリポジトリではrenovateが無効化されます。 renovateの設定ファイルrenovate.jsonを作成し、リポジトリのrootにpushする 各リポジトリでConfigure RenovateというPull Requestが自動的に作成されます。 自動生成されたrenovate.json { "$schema": "https://docs.renovatebot.com/renovate-schema.json", "extends": [ "config:recommended" ] } $schema Renovateにおける$schemaは、renovate.jsonで使える設定項目やその値の種類・ルールを定義しています。 これにより、どの設定が有効かをエディタが理解できたり、エディタによる補完などが有効になったりします。 extends extendsでは、Renovateがあらかじめ用意しているルールセットを指定することができます。 上記の例ではconfig:recommendedを指定しています。これには、どの言語やプロジェクトでも使える推奨設定が含まれています。 (以前はconfig:recommendedではなく、config:baseと呼ばれていたみたいです。) config:recommended の詳細についてはこちら またその他設定項目についてはこちら まとめ 現在業務でRenovate を使ってみて感じたのは、カスタマイズ性が非常に高い反面、設定項目が多くてややとっつきにくいという点でした。しかし、プライベートの時間を使って軽く触ってみたところ、導入自体は驚くほど簡単で、いい意味で期待を裏切られました。最小限の設定でもすぐに使い始めることができましたが、もう少しドキュメントを読んで複雑な設定も試してみたいと思いました。

May 6, 2025 · Ken Kato

PostgreSQL16をソースコードからビルドしてみる

PostgreSQL16をソースコードからビルドしてみたのですが、いくつかつまづいたポイントがあるので、それらにご紹介します。 PostgreSQL16をソースコードからビルドするためのコマンドは以下のとおりです。前提として M1 Mac (macOS 14.4.1) を使っています。 % git clone git://git.postgresql.org/git/postgresql.git % cd postgresql % ./configure --enable-debug --enable-cassert --enable-tap-tests --prefix=$HOME/pgsql CFLAGS=-O0 % make -j 4 % make install configureコマンドには以下のオプションを指定しています。 デバッグしやすくするためのオプション: –enable-debug –enable-cassert –enable-tap-tests インストール先のディレクトリを指定するオプション: –prefix 参考: https://www.postgresql.jp/document/16/html/install-make.html#CONFIGURE-OPTIONS icu-uc, icu-i18nのパッケージが見つからない icu-uc, icu-i18nのパッケージが見つからないと言われました。 % ./configure --enable-debug --enable-cassert --enable-tap-tests --prefix=$HOME/pgsql CFLAGS=-O0 (省略) checking for icu-uc icu-i18n... no configure: error: Package requirements (icu-uc icu-i18n) were not met: No package 'icu-uc' found No package 'icu-i18n' found Consider adjusting the PKG_CONFIG_PATH environment variable if you installed software in a non-standard prefix....

September 18, 2024 · Ken Kato